ユリオの中に含まれるロハス的なイメージが私は苦手だ


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≪見知らぬ乗客≫
好きなヒッチコック作品は 《バルカン超特急》

《知りすぎていた男》

《疑惑の影》、

《三十九夜》、そして

今夜取り上げる

《見知らぬ乗客》です。
この作品は、

メガネ、ライター、

ネクタイピン、

遊園地のあかり、

鏡、拳銃...

そしてメガネをかけた

被害者とよく似た女の設定などなど、

小道具、脇役の役割の素晴らしさで見事な

出来上がりとなった作品。

    

ヒッチコキアンには

よだれの出た作品である。

まず、精神分裂症の犯人役ブルーノの

ロバート.ウオーカーが良い。本当に薄気味悪い。
そして、主人公のテニスプレーヤー、

ガイ(ファーリー.グレンジャー)の妻ミリアムで殺される役の

ローラ.ユリオットという女優が本当に憎たらしい女で

実に良い。
そしてガイの恋人のアン(ルース.ローマン)の

妹バーバラに

ヒッチコックの娘、パトリシア.ヒッチコックが

扮しているが

これが鍵で、殺された妻ミリアムとそっくりな

容貌で登場。

(性格はチャーミング゙な役)

さすがヒッチコックの技だと唸った。
犯人か犯人でないか証拠となるライターの存在も

使い方の上手さに観客は満足する。
小道具の妙と、ゆるやかな時間の使い方と

ラストの回転木馬の猛スピードの使い分け、

どれをとっても満足。
ハラハラ、ドキドキはいつもながらであるが

好きな作品という事もあって

年に一度は鑑賞する作品である。
ストーリー
列車の中で人気者のテニスプレーヤー、ガイは見知らぬ乗客、

ブルーノーから交換殺人を持ちかけられる。

この男ガイの身辺を詳細に調べているようで

離婚を持ち出した妻ミリアムが人気の出たガイの収入に目がくらみ

翻したこと、ガイの恋人で上院議員の娘アンのこと、

すべてを知った上で邪魔な妻を殺してやるから、

自分の父親を殺してくれと持ちかけてきた。
困ってはいたが、殺人などとんでもないとガイは断った。

しかし、頭はいいが、少し狂ったブルーノーは

勝手にミリアム殺人を実行に移す。
たくさんの男と毎夜,遊び回るだらしのないミリアムは今夜も

数人の男たちと遊園地へ。

後をつけるブルーノーに気が付くミリアムだが...

小船で向こう岸へ渡る男女とブルーノー。
ちょっと男たちと離れた隙に、ミリアムの首を締める。

その殺人の様子はミリアムの眼鏡に一部始終映し出される。
ひびの入った眼鏡とガイが列車の食堂車に忘れたライターを

握ったブルーノーはその場を立ち去り、船から降りた時に

ボート係のオヤジに顔を見られてしまう。
そしてガイは事の成り行きに驚くが、巧妙なブルーノーの

話術に警察へ行くことも出来ない.

今度はお前の番だと迫るブルーノー。

アンや妹バーバラは強い味方だが、アンは

ガイが何かを隠していると思い、

彼の様子に目を放さないでいると、ブルーノーーという男が

彼にまとわりつく事に気がつく.

いつもつけているネクタイピンにはブルーノーという文字が.。
上院議員のホームパーテイーにも彼は招待もされないのに現れ、

たまたまいた老婦人と冗談を言っている内に

首を締めたらどんな感じという話をしていて、首に手を当てる。

最初はケラケラと笑っていた夫人だが...
老婦人の後に立っているバーバラの顔を見た途端、

精神状態がおかしくなって夫人を本気で絞め殺そうとした。

メガネの中にあのライターが映って見え、

殺したガイの妻を思い出したのだ。
見つめられたバーバラは立ちすくんだ。

”わたしの首を締めているようだった、怖い”と

姉のアンにすがりついた。
その事でアンは感じた。

ガイに問いただす。”あなたの奥さんはどんなタイプだった?”

.....で、...で、

そして丸顔でメガネをかけていなかった?”

犯人はあの男ね?どうしてあんな男に殺人を頼んだの?
すべてを打ち明けるガイ。
一方、父親殺しを全然実行する気のないガイに業を煮やした

ブルーノーはとうとう、頭に血が上り、

ガイを本当の殺人犯にしようとライターを殺人現場に持っていこうとする。

犯人より先に行ってライターを取り返すため、アンとバーバラの

協力を得て、行動開始!

だが、その日ガイには大事な試合が待っていた。

抜ければ尾行を続けている刑事にますます怪しまれる。
ブルーノーとて日没を待たねば現場には行けない。
さあーここからそれぞれの時間との闘いが...。

遊園地に着いたブルーノーは人とぶつかって大事な、大事な

ライターを下水道に落としてしまう。
早く拾わねば、警備員はのんびりしていて話にならない。

自分でマス蓋の中に手を突っ込むがなかなか取れない。
観客も焦りますよね。
ガイはアンたちが用意してくれたタクシー、列車と乗り継いで

遊園地へ..

多くの刑事はすでに見張っている。

まだガイを犯人と思っている刑事もいる。
小船に乗ろうとする犯人の顔にライトが.

ボート係は見逃さなかった。

刑事に告げる。
そっと踵を返すが、ガイに見つかった。

回転木馬に飛び乗る犯人。

追って乗ろうとしたガイに刑事の拳銃が火を吹いた。

その弾は木馬の操作係に命中!
木馬は狂ったように回転し出した。

その上でもみ合う二人。ライターをめぐって。

泣き叫ぶ子供たち。
誰か木馬を止めるものは?
ひとりの老人が”わしが...”といって

狂ったようなスピードで回る木馬の回転台の

下へもぐり込む。
息を止めて見守る刑事たち。
なんとかブレーキを引いた..。

しかし、木馬は音を立てて崩れ落ちた。

下敷きになったブルーノーに”真実を話してくれ”と詰め寄るが

虫の息のブルーノーは”ライターなんて知らん”と言って

息を引き取った。
だが 垂れた手のひらが開かれた。

そこにはガイのライターが...。
これは

少し狂った母親に甘やかされて育てられた

分裂症の息子の妄想が招いた犯罪。
まともな父親が逆に疎ましくて殺そうとした。
この息子の狂った母親像がまた面白く、いい味を出している。

(マリオン.ローン)
なにより紳士づらした穏やかそうな、しかし薄気味の悪い

ブルーノー役のロバート.ウオーカーも上手い。
ミスキャストはガイ役のグレンジャーとアン役のルース.ローマン.
これだけの作品なのだから、ガイにはスターを当てるべきだと思ってしまったし、

アンももう少し、キャラクター性のある女優を使えば

もっと重みと魅力が出たのではとちょっとだけ不満。
しかしパトリシアとローラの使い方は抜群。

ブルーノーの母親役のマリオンとこの4人の設定と存在感が

作品を面白くした。
心憎いシーンや小道具の使い方がまだまだ

鮮やかにストーリーに絡んできますよ。

ヒッチコックさんは

いろんな手法で楽しませてくれます。
制作  米  1951年度

監督  A.ヒッチコック

脚本  レイモンド.チャンドラー

ユリオの情報、たっくさん!

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